2018-01-01から1年間の記事一覧

冷たい朝 (フィクション)

享年24歳 ある冬の冷たい朝 彼女は眠るように死んでいました お気に入りのタバコと真っ赤なヒールと たくさんのブランド物のバッグや服に埋もれて 眠るように死んでいました 綺麗に化粧した顔はいまにもにっこり笑い出しそうで いつもつけている真っ赤な口紅…

お腹の痛さに負ける

気づいたら3月が後半になっていた えっ?5.7.5を書いたのが2月なんて 一体どういうことなんだろう いつの間に時間はこんなにはやく過ぎるようになったんだろう 特に先月から今月は異様なほど早かった 次に自分がなにをするかを決め、そのために行動し、新し…

恋する5.7.5(フィクション)

「会いたいな、会いたくないな、会いたいな」 う〜ん、完璧。完璧な5.7.5だ。会いたい気持ちと会いたくない気持ちが交錯する恋する女の子っぽさも出ている。これは入賞間違いなしかな!お〜いお茶のペットボトルに載っちゃうかも。ふふ。 冷蔵庫からキンキン…

プロポーズ(フィクション)

今朝も相変わらず電車は混んでいる。こんなに大勢の人間がこの街には存在していたのかと思うくらい、うんざりするほどの人間がこの小さな箱の中にぎっしり詰め込まれている。ドアに押し付けられながらぼんやりとそんなことばかりを考えていた。いつもより駅…

ホテル暮らし(フィクション)

もしもーし!久しぶり!ねえいまどこにいるの?え?ホテル?家は?あの新しい家、帰ってないの?あー仕事か、そうだよね、なんか飛び回ってるもんねえ、そうだ、あたしがあげたあの黄色い掃除機、あんたの部屋にある?うん、あれ、あの誕生日にあげたやつ、…

仕事を探している

まあ、わたしはぶっちゃけ今なーんにもしてない なーんにも。ニートである いや働く意欲はあるからニートじゃないのかな 就活中 臨床実習の現場である病院内で過呼吸を起こしてぶっ倒れ、毎朝病院に行くことを考えただけで涙が溢れ、鏡に映った自分の顔を見…

前の家の話

思えば、あの部屋が好きだった 1K四万三千円Wi-Fi付オール電化築15?20?忘れちゃったけど、そんなかんじの。 あの狭くてものであふれている、わたしの城 わたしだけの城 今思えばあの部屋を愛していた 初めて一人暮らしした部屋 換気扇がありえないほど弱く…