ひどく辛い毎日が始まる あと少しで。今はまだぎりぎり嫌だ嫌だとごねられているけれど、そのうち否が応でも流れに飲み込まれてしまうのだろう

わたしのことが嫌いなクラスメイトも がんばろうねと言っていた友達も みんな自分のことで精一杯だし 流れに飲み込まれていく

 

わたしは全自動マシーンになったつもりで 家を一歩出たら感情のスイッチをオフにする おもしろくなくても笑って つらいよねと言われればそうだよね〜と返す 

 

そうでなければやっていけない 家に帰ってきた途端座り込んで煙草に火をつけて眠らせていた機能を解放する まだまだオンオフがしっかりできないから辞めたい気持ちになったりするけど そのうちうまくできるようになるだろう 

 

綺麗な鼻が欲しい 綺麗な色のリップが欲しい 綺麗な色のアイシャドウが欲しい 綺麗な下着が欲しい 美しくなりたい わたしがこれから飲み込まれようとする流れは、ぜんぶ美しいものを手に入れるためにあるものだと言い聞かせている そうでもしなければやっていけない 

 

バイトにあまり行けなくなることは確実だし、でも払わなきゃいけないお金は一定数存在している これは自分への投資だ いつか必ず美しくなって 美しいものに囲まれて 美しく死ぬのだ

 

美しいことは何にも勝る 全てのものは圧倒的な美しさの前では恐れ慄き 平伏すしかないことを知っている 中途半端に美しいと僻まれ 妬まれ 引き摺り下ろそうとしてくる 足りないのだ、まだ全然足りない 自分自身が1番愛せる自分でなければ 他人にいくら言われようとも美しいことにはならないのだ 

 

美しさを手に入れるために 感情のスイッチをオフにして わたしは明日の朝も家を出ていく